メタバースは、2年前と比べると一部の世界的なテックリーダーにとってはメインストリームの魅力を失っているかもしれない。

最近ドバイで開催されたカルダノ・サミットの際、メタマインズ・グループのサンドラ・ヘルCEOは、企業に合わせたビジネスモデルの不足が「メタバースで最大の失敗だ」とコインテレグラフに語った。短期的な成功を求めてメタバースに頼るのは適切なアプローチではないとも述べる。

「メタバースと同様の技術を適用するとなると、ビジネスビジョン、チーム、ビジネスモデルの大規模な改革と転換を必要とする。私たちが直面している最大の問題は、人々が自分たちのビジネスモデルを正しく理解できなかったことであり、これが多くの失敗の原因だ」とヘル氏は言う。

KPMGが 最近公表したレポート によれば、UAEのテックリーダーの29%、世界的には37%しか、メタバースが彼らのビジネスが短期的な成功を達成するのに重要な役割を果たすとは考えていない。調査によれば、大半のテックリーダーは、次の3年間でAIに重きを置く方向に傾いている。

「メタバースは短期的な目標のためのものではない。これは間違いなく長期的なビジョンであり、それには多大な努力、戦略、それに専念するチーム、そして資金が必要だ」とヘル氏は付け加えた。

メタバースプロジェクトの持続性を確保するために企業がどのように行動すべきかについて尋ねられたヘル氏は、業界はアクセシビリティと相互運用性に取り組むべきだと主張した。「業界はかなり断片化している。ロブロックスを使いたいと思ったら、自分のアバターやアイデンティティを持つことになる。そして、別のエリアに移動したいと思ったら、別のアバターやアイデンティティを持つことになる。これは非常に困難だ」と彼女は語った。

「それはまるで、店に入るたびに物理的な財布や着ている服を変える必要があるようなものだ。それは全く意味をなさない」とヘル氏は説明した。

彼女は、開発者はメタバースの製品ラインがユーザー、クライアント、市場のニーズと一致していることを確認すべきだと言う。これには、適切なブロックチェーンネットワーク、使用する資産、デジタルアイデンティティの安全性とセキュリティの理解が含まれる。「我々は、これらを正しく実現すれば、誰もが自由に移動できる相互運用可能な世界を創造できると確信している」と彼女は付け加えた。

Web3ハブとしてのUAE

ドバイとUAE全体は、仮想通貨に対する友好的な政策で世界の仮想通貨企業の誘致に取り組んでいる。ヘル氏によれば、この地域の新興技術に対するアプローチは、開発者がビジョンを実現するのを容易にしてきた。

「技術は普遍的だ。しかし、ドバイが創設者、CEO、開発者に提供してきた規則や規制、ビジネスの容易さを見ると、ドバイはメタバースで成功したいと持っている人々にとって重要な場所にしている」と彼女は語った。

ヘル氏は、UAE全体が、米国の証券取引委員会(SEC)による仮想通貨業界に対するアプローチとは違うアプローチを取っているとも言う。SECは執行による規制ともいわれ、明確な規制がないままで取締りを進めていると言われている。

ドバイの仮想資産規制局の設立により、必要な政策を推進している。同氏は規制当局がWeb3プロジェクトに介入して業界をマイクロマネージメントすることはないと考えている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン