世界最大級の音楽フェスティバル「コーチェラ」が、NFTマーケットプレイスのオープンシーと提携し、現実世界と連携した特典付きNFTコレクションを発行することを発表した。

2024年開催のコーチェラでは、3つのNFTコレクションが3月5日から発行される。NFTコレクションは、アバランチブロックチェーンネットワーク上でホストされ、3回に分けてリリースされる。

最初のドロップは3月5日に実施され、1000個限定のNFTが販売される。これらのNFTの所有者は、VIPパス、オアシスラウンジへのアクセス、「オアシスラウンジ記念品」を獲得できる。残りの2回のドロップは、3月25日と4月中旬に実施される。

コーチェラは世界最大級の音楽フェスティバルで、参加者は64万5000人を超える。新人からスーパースターまで、多彩な音楽アーティストが出演することで知られ、著名人も多数参加する。

近年、このフェスティバルはポップカルチャーや音楽業界における重要なイベントとなり、広告主にとって非常に人気のあるイベントとなった。オープンシーとの今回の提携は、NFTとWeb3の利便性と革新性を一般の人々へ直接届け、主流化する動きに繋がるかもしれない。

コーチェラのイノベーション責任者であるサム・シューノーバー氏は、今回のコラボレーションを、イベントがどのようにNFTを活用して、現実世界とデジタル世界で顧客体験を創造できるかという「新しい章」になると期待を込めた。同氏は以下のように述べている。

私たちは、コーチェラが単なる参加型イベントではなく、所有するデジタルトークンに基づいて、体験を所有し、形作ることができる未来に向かって進んでいる。

オープンシーのデヴィン・フィンザーCEOは、今回の提携について、以下のようにコメントしている。

コーチェラとの提携は、デジタルとフィジカルを融合させ、フェスティバル体験をさらに豊かにするだけでなく、ライブイベントやチケット販売業界に新たなパラダイムをもたらす重要な節目となるだろう。

今回の提携は、2024年2月にNFT販売数が3年ぶりの低水準を記録するなど、NFT市場低迷が続く中での発表となった。

オープンシーはWeb3シーンの主要プレイヤーであるが、近年は、手数料の低減などのインセンティブを通じてユーザーや流動性を獲得しようとする競合プラットフォームによる「ヴァンパイアアタック」と呼ばれる攻撃を受けている。

2023年12月には、OKX NFTマーケットプレイスがオープンシーとブラー(Blur)を上回る日次取引量を記録するなど、オープンシーの優位性が揺らいでいる。

フィンザーCEOは、現在のNFT市場環境を踏まえ、他社からの買収にもオープンであることを表明している。