イーサリアムデンクンアップグレード、業界のベテランから短期的な影響には懐疑の声も
イーサリアム待望のデンクンアップグレードが3月13日、 稼働した 。 プロトダンクシャーディングにより、レイヤー2ソリューションにおけるガス料金削減を実現する点については評価で一致しているものの、市場関係者は短期的な価格への影響については賛否両論の声が挙がっている。
YouHodlerの市場責任者、ルスラン・リエンカ氏は、「短期的にはETH価格に大きな影響を与えない」とやや懐疑的な姿勢を示している。一方、「ブロックチェーン上の活動増加は期待できる。長期的に見れば、新しい革新的なレイヤー1ブロックチェーンプロジェクトとの競争が激化する中で、ETHの価値は高まると予想する」と述べている。
一方、流動性ステーキング開発企業 AlluvialのCEO、マラ・シュミット氏は、「ビットコインの機関投資家急増、イーサリアムのDeFiエコシステムにおけるトータル・バリュー・ロックド(TVL)が1000億ドルに迫る中、今回のスケーラビリティに焦点を当てたアップグレードは非常に期待されている」と短期的には強気だと主張した。「イーサリアムはスケーラビリティの問題に直面しており、それが採用やユーザー数・取引数の増加に対応するための障害となっている」ためだと話した。
また、仮想通貨取引所OSLのCOO、オノ・ステルク氏は、「デンクンアップグレードは、イーサリアムが長年抱えてきた開発の障害となる重要な問題を解決する」と評価する。ステルク氏はコインテレグラフに対し、「デジタル資産分野は、革命的ではあるが、高い取引手数料と限られたスケーラビリティの問題によって傷つけられてきた。「これらの課題は、イノベーションを阻害するだけでなく、様々な分野でのブロックチェーン技術の幅広い採用を制限してきた」と話し、次のように述べた。
"デンクンアップグレードの中核はプロトダンクシャーディングであり、取引手数料を大幅に削減すると同時にネットワークの処理速度を向上させることを目的とした革新的なアプローチだ。この開発は、イーサリアムが他のブロックチェーンの効果的なデータベースとして機能することを可能にし、それによって、より相互接続された効率的なデジタル資産エコシステムを促進するという、記念碑的なものだ。
過去1年間、イーサリアム(ETH)は、デンクンアップグレードへの期待、ETH現物上場投資信託(ETF)の承認期待、仮想通貨市場全体の回復などにより141%上昇している。 しかし、同期間におけるビットコイン(BTC)の198%上昇には及んでいない。
5月に米国証券取引委員会(SEC)がイーサETFについて好意的な判断を下すことを期待する暗号資産愛好者も多い。 一方、リエンカ氏は「SECは判断を延期するための口実を見つけるだろう」と懐疑的な見方を示し、ETF承認は今春はないと予想する。
Alluvialのシュミット氏は、イーサリアムが真の意味で普及するためには、「機関投資家の参入、幅広いアクセス、明確な規制枠組み」が必要だと指摘する。「イーサリアムの成功は、開発者、ユーザー、投資家など、コミュニティメンバーの積極的な参加に依存している。今後もそれぞれの専門知識と視点を活かして、イーサリアムの未来を形作っていくことを期待したい」と述べた。
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