仮想通貨取引所大手バイナンスジャパンが、三菱UFJ信託銀行と連携しステーブルコインの発行を検討している。三菱UFJ信託銀行が発表したリリースから わかった 。

バイナンスジャパンは9月25日、三菱UFJ信託銀行と共同で、円やその他の法定通貨建てのステーブルコインを発行することを目指す「共同検討」を行うと発表。両社は、2023年6月施行の改正資金決済法に準拠したステーブルコインの発行・管理システムである「プログマットコイン」と呼ばれるプラットフォームを利用する。

同プラットフォームはイーサリアムでのステーブルコイン発行をサポートしているが、バイナンスとの提携によりBNBチェーンにも拡大される可能性があるという。

今回両者が検討するのは、発行体に銀行業免許、資金移動業登録などが必要のない「信託型」ステーブルコインだ。本人確認が住んでいないウォレットなどにも送金可能になるとしている。Binance Japan株式会社が「発行依頼者(委託者)」となり、三菱 UFJ 信託銀行が発行者(受託者)となる想定だ。

定通貨建てで発行されるステーブルコインは暗号資産の一種であり、従来の金融機関がWeb3(ウェブスリー)をサービスに統合していくためにには不可欠なものとされる。一方現時点で日本にはこれまで有力な円建てステーブルコインがないのが現状だ。

三菱UFJ信託銀行のプロダクト担当バイスプレジデントである齊藤達哉氏によると、日本のステーブルコイン市場は340億ドル(約5兆円)規模に成長する可能性があるという。これは現在推定されるステーブルコイン市場の約27%に相当する。

欧米で厳しい規制圧力に直面するバイナンスは今年8月、日本市場に再参入。立ち上げと同時に国内で最大となる34銘柄の仮想通貨を取り扱うとして注目をあびていた。

円建てステーブルコインを巡っては、オリックス銀行も来年をメドにステーブルコイン発行計画を検討していると報じられている。<終>