仮想通貨市場の活況期にベンチャーキャピタルがブロックチェーンゲームプロジェクトに無秩序に投資したが、業界幹部によると、今回はより成熟した持続可能なアプローチを取っているという。

仮想通貨に特化したベンチャーキャピタル企業ロングハッシュベンチャーズの創業者であるシ・カイ・ウェイ氏は「狂気の沙汰だった」とコインテレグラフに語る。同氏によれば、一部のゲームファイ(GameFi)プロジェクトは、数名のチームメンバーと野心的な約束だけで最大1億ドルを調達していたという。

ゲームファイ企業イルヴィウム(Illuvium)の創業者であるキーラン・ウォリック氏も同様の状況を目の当たりにし、投資家の熱狂はFOMO(取り残されることへの恐怖)によって駆り立てられていたと振り返る。イルヴィウムは3月26日にシリーズAで1200万ドルの資金調達を確保したと発表している。

Illuvium confirmed it secured a $12 million Series A funding round on March 26. Source: Illuvium.io

「もしある人があなたに対して他の4、5社が投資しているゲームを提案されたら、彼らはきちんとしたデューデリジェンスを行い、何をしているかを知っていると思い、それに追随するだけでいいと思うだろう」とウォリック氏は語った。「このようなFOMOが生まれるのは、人々がチャンスを逃したくないと思うと同時に、他の人々も参加しているなら自分も参加しようと考えるからだ」。

しかしベンチャーキャピタル企業はその後、チェックリストを拡大し、ゲームプレイ、アーティスト、開発者、セキュリティ監査などを求めるようになったとウォリック氏は指摘する。「VCがプロジェクトに対して行う監査の量は、当時と比べると莫大なものになっている」と彼は語った。

ウェイ氏もこれを同意し、より長いチェックリストが彼の会社が正当でないプロジェクトを除外するのに役立つと語る。

現在はトップティアのプロジェクトが立ち上がりつつあり、はるかに合理的な評価額であるため、ロングハッシュはゲームファイにより投資しているとウェイ氏は説明する。同社は、イールド・ギルド・ゲームズ、ギルドファイ、スナッククラブ、ムーンヴェイル、イグナイト・トーナメントに投資している。ウェイ氏は、ゲームファイがロングハッシュベンチャーズの注目分野となり、次のFOMOの波が来る時に6-12ヶ月先を行くことを望んでいるとのべた。

イールド・ギルド・ゲームズのCEOギャビー・ディゾン氏は、多くのVCが前回の強気市場のピーク時に投資して損をしたため、仮想通貨市場の「周期性」を強く意識しているとコインテレグラフに語る。

RootDataによると 、2021年第4四半期にはゲームファイプロジェクトに20億ドル以上が投資されたが、2022年第1四半期以降には6四半期連続で資金額が減少していった。しかし、2023年第3四半期にはついにこのトレンドが逆転し、ゲームファイセクターはそれ以降3四半期連続で増加を見せている。直近の四半期には2億6800万ドルが集まった。

Source: RootData