大手セルフカストディウォレットのフェニックスとワサビ、規制懸念で米国サービスから撤退
セルフカストディウォレットを提供するAcinqの「フェニックス・ウォレット(Phoenix Wallet)」とzkSNACKsの「ワサビ・ウォレット(Wasabi Wallet)」はどちらも、最近の米国規制当局による取り締まりを受けて、米国ユーザー向けのサービスを停止する。
AcinqとzkSNACKsは、米国規制当局によるメタマスク開発元のコンセンシスと仮想通貨ミキサーのサムライウォレット(Samourai Wallet)に対する最近の措置を受けて、セルフカストディ型ウォレットプロバイダーが合法的な資金サービス事業者と見なされるかどうか懸念を表明している。
「zkSNACKsは、米国当局による最近の発表を踏まえ、米国ユーザーがサービスを利用することを禁止する」と zkSNACKsは4月27日に声明を 発表 した。
さらにAcinqは4月26日のブログ投稿で「米国当局からの最近の発表は、セルフカストディ型ウォレットプロバイダー、ライトニングサービスプロバイダー、さらにはライトニングノードでさえ、資金サービス事業者と見なされ、規制される可能性がある」と説明した。
Acinqはフェニックス・ウォレットのユーザーに対して、5月2日までに今後の変更に備えてウォレットの残高を移すように求めている。一方でワサビ・ウォレットの新方針は「即時施行」された。
Acinqは、フェニックス・ウォレットのユーザーはウォレットを空にする必要があるが、ウォレットを「強制終了」することは避けるように説明している。これは「オンチェーン手数料が高額になる可能性があるため」だという。
Source: Phoenix Wallet最近、世界中の規制当局は、セルフカストディ型ウォレットがマネーロンダリングなどの違法行為を助長する可能性があると主張している。
4月25日、コインテレグラフは、コンセンシスが4月10 日にSECからウェルズノーティスを受け取っていたと報じた。これは、メタマスクのスワップサービスおよびステーキングサービスが強制措置を受ける可能性を示している。
SEC は電話会議で、コンセンシスが登録されていないブローカーディーラーとして営業していると主張したという。
一方、そのわずか1日前の4月24日、コインテレグラフ、サムライウォレットの共同創設者が、米国司法省によってマネーロンダリングの罪で逮捕されたと報じた。
サムライウォレットのCEOであるKeonne Rodriguez 氏と最高技術責任者であるWilliam Hill氏は、それぞれ最高20年の懲役となるマネーロンダリング共謀罪1件と、最高5年の懲役となる無許可送金業共謀罪1件で起訴されている。
一方で、欧州の規制当局は最近、セルフカストディ型ウォレットに関する規制案を緩和した。
コインテレグラフが3月に報じたように、欧州議会の上位委員会の過半数が、新しいマネーロンダリング防止法の一部として、セルフカストディ型ウォレットからの仮想通貨決済に対する 1,000 ユーロ (約17万円) の上限を撤廃した。
ただし、仮想通貨取引所は、少なくとも1,000ユーロの取引を行うユーザーに対して身元確認などのデューデリジェンスを行う必要がある。
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