欧州発の新ステーブルコインEURT誕生|MiCA規制に準拠
フランスのブロックチェーン技術企業Next Generationは5日、アイルランドの電子マネー機関DECTA Limitedと戦略的提携を結び、ユーロ連動型ステーブルコイン「EURT」の発行を 発表した 。
この新しい暗号資産は、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制(MiCA)に完全準拠する形で設計されている。
ステーブルコインとは、法定通貨や金などの資産と価値を連動させた 暗号資産(仮想通貨) のことだ。EURTはユーロと1対1で価値が連動し、価格の安定性を保つことが期待される。
EURTの特徴と開発背景
EURTはStellarブロックチェーンを含む4つのプラットフォーム上で運用される予定だ。このプロジェクトは、実は2017年にTempo Franceが最初のステーブルコインの一つとしてStellar財団と共に立ち上げたものの、規制枠組みの不在により一時中断されていた。MiCA規制の導入により、プロジェクトが再始動することになった。
Next GenerationはEURTの発行、償却、流通に関する主要な技術部分を担当し、DECTAはアイルランド中央銀行から認可を受けた電子マネー機関(EMI)ライセンスを活用して、発行者としての役割を果たす。
MiCA規制下での欧州暗号資産市場の展望
2024年7月1日に施行されたMiCA規制により、ユーロ連動型ステーブルコインの発行は EU内の信用機関またはEMIに限定されることになった。この規制環境の変化は、EURTプロジェクトにとって追い風となっている。
Next GenerationのSuren Hayriyan社長は次のように述べている。
「MiCAの実施により、欧州の最新デジタル金融分野に新時代が到来しました。現在、欧州コインのシェアは不当に低いですが、その地位が急速に向上するのを目の当たりにするでしょう。ユーロ建てステーブルコインへの需要は非常に高いのです。」
EURTの展望と市場予測
両社は、EURTの市場規模について「2026年までに40億ドルに達する可能性がある」と予測している。また、透明性を高めるため、大手国際監査法人による定期的な準備金監査や主要財務指標の定期公開を計画している。
EURTの正式ローンチは2024年10月を目標としており、欧州の暗号資産市場に新たな選択肢をもたらすことが期待されている。
暗号資産市場は常に変化し続けているが、EURTの登場は欧州市場に規制準拠型のステーブルコインをもたらすものとして注目される。投資家は、こうした市場動向を注視しつつ、自身の投資戦略に与える影響を慎重に見極めていく必要があるだろう。
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