エルサルバドル、ビットコイン導入から3周年＝さらなる普及と成長への期待

エルサルバドルは、ビットコイン(BTC)を法定通貨として採用してから3年が経過した。2021年9月7日に世界初の国としてビットコインを法定通貨にした同国は、現在もこの挑戦的な経済政策の下、ビットコインの活用を拡大している。

ビットコインを法定通貨にした理由

エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用した背景には、国内経済の活性化と金融包摂の拡大がある。同国は米ドルに依存しており、経済の多様化が課題とされていた。
ビットコインの導入は、新たな経済成長のエンジンとして機能させる狙いがあり、特に金融サービスにアクセスできない多くの国民にとって、ビットコインは銀行口座を持たずとも経済活動に参加できる手段となる。
さらに、国外にいるエルサルバドル人からの送金手数料の削減や、デジタル通貨の透明性による汚職防止など、複数の経済的メリットが期待された。

ビットコイン導入を支える一人であるナジブ・ブケレ大統領のシニアビットコイン・アドバイザーであるマックス・カイザー氏は、エルサルバドルの国民がビットコインをより活用できる未来を描いている。
同氏は、政府が国民にビットコインのコールドストレージデバイスを提供し、少額でも定期的にビットコインを貯蓄する仕組みを作ることを目指している。この貯蓄が、教育資金や退職金、さらには次世代への資産となり、国全体の経済的安定と成長を後押しするという考えだ。

ブケレ大統領の評価と展望

また、ブケレ大統領は、ビットコインを法定通貨として採用した決断を概ね成功とみなしている。
同国は現在、5,865BTCを保有しており、その含み益は約3,100万ドルに達している。この収益は決して巨額ではないが、ビットコイン導入がエルサルバドルにもたらした影響は、金銭的な利益にとどまらない。
ビットコインの採用によって国際的な注目を集め、外国からの投資が増加したことは、同国の経済にとって大きなプラスとなっている。

一方で、ブケレ大統領はビットコインの普及が期待されたほど進んでいない現状も認識している。
政府はビットコインの使用を強制せず、あくまで自主的な採用に任せているため、国民全体に浸透するには時間がかかっていると見ている。
それでも、ビットコイン導入が金融包摂を促進し、国内外からの投資や観光の増加を引き寄せた点は評価している。今後の課題として、さらなる教育とインフラ整備によって、より多くの国民がビットコインを活用できる環境を整えることが重要だと語っている。

エルサルバドルにおけるビットコインの法定通貨としての導入は、まだ発展途上にあるが、同国は今後もこの実験的な経済政策を推進し、国全体の成長につなげる意思を持っている。

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この記事はBeInCryptoの「El Salvador Celebrates 3 Years of Bitcoin Adoption, Eyes Broader Access」を参考にして作られています。