著者 松田康生（まつだやすお）楽天ウォレットシニアアナリスト

東京大学経済学部で国際通貨体制を専攻。三菱UFJ銀行・ドイツ銀行グループで為替・債券のセールス・トレーディング業務に従事。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事、2021年のピーク800万円、年末500万円と予想、ほぼ的中させる。2022年1月より現職。

ポイント

・64,000ドル手前まで上昇、半値戻し、200日移動平均線をクリア

・雇用統計強くリスクオン、11月0.5％利下げ織り込み消滅、今後の買い材料に

・週末のイスラエルのイラン攻撃見送り、予想市場でトランプ氏が再逆転

・ＴＶ番組でサトシの正体を暴かれたら売り、謎のままなら若干の買いか

週末のBTC相場

週末のBTC相場は上昇。

60,000ドル（約890万円）割れから切り返すと、土曜日に62,000ドル（約920万円）、今朝方には63,000ドル（約935万円）を突破、64,000ドル（約950万円）を窺っている。

BTCは、先月末に66,000ドル台半ばでピークアウトすると、イスラエルのレバノン侵攻やイランの報復攻撃などを嫌気して60,000ドル割れに失速した。

しかし、9月の安値52,500ドルと高値66,500ドルの半値押しとなる59,500ドルにサポートされると、木曜日にバイデン大統領がイスラエルのイラン攻撃は本日は無いとしたことから切り返し、港湾スト停止によるリスクオンも手伝い61,000ドル台に値を戻した。

注目の米雇用統計では非農業部門雇用者数が予想15万人に対し25.4万人、失業率が予想4.2％に対し4.1％となったことが好感され、リスクオン気味に62,000ドルに迫った。

しかし、先物市場で11月の0.5％利下げ観測が消滅、長期金利が上昇する中、BTCは60,000ドル台に値を下げた。

しかし、この数字を受けて米株が大きく上昇する中、BTCは切り返すと62,000ドルを突破、更にバイデン大統領がイスラエルによるイランの石油施設への攻撃に反対するとBTCは62,000ドル台半ばに値を伸ばした。この時間帯にピークを付けるのは今週から始まった金曜日期日のCME先物の影響も若干あったかもしれない。

週末の間、イスラエルはベイルートへの空爆を強化したが、イランへの攻撃は開始せず、またトランプ氏が銃撃事件があった会場で集会を実施した影響もあってか予想市場でハリス氏を再逆転したこともあり、月曜日未明にかけてBTCは63,000ドル手前に上昇。

63,000ドル台の66,000ドル台半ばから60,000ドル割れの半値戻しと200日移動平均線に上値を押さえられていたが、週明けの金融市場がリスクオンで始まると、64,000ドル手前まで上昇した。

本日のBTC相場

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